フランスの3つの結婚制度とは? 結婚・離婚する理由を日本と比較

出会い・結婚
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愛の国フランスでは、同性婚や事実婚も一般的なんだよね。結婚のカタチが3つもあるって聞いたけど本当? 選択肢がいろいろあっても結婚する理由ってなんだろう

こんな疑問にお答えします。

こんにちは、よるるです。

よるる
よるる

【この記事を書いた人】

ギリギリ昭和生まれのフリーライター・翻訳家。バツイチ同士で同棲3年目。結婚しない・子供は持たない派。

フランスの結婚制度と、フランス人が結婚する理由・離婚する理由を探っていきます。

本記事の内容
  • フランスの結婚制度は3つ
  • それでも結婚する理由
  • 結婚しても離婚する理由

私は結婚したくないし結婚しないと決めています。
相手の希望もあり20歳で結婚したのですが、やはり窮屈で、4年ほどで離婚。今は交際4年になる彼氏と同棲していますが、やっぱり結婚しないほうが自分に合っていると思っています。

日本でも結婚しない派の人は増えてきた感じがしますが、いまだに「なんで結婚しないの?」と聞かれることは多いですね。

日本よりも結婚の自由が認められているフランスには、どんな制度があるのでしょうか? フランス人と日本人の結婚・離婚の理由も比べてみましょう。

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フランスの結婚制度は3つ

フランスには、なんと3つも結婚のカタチがあるんです。それぞれ全く別モノというよりは、手続きの煩雑さ・義務や権利の多さなどがグラデーションのように微妙に異なるイメージ。

既婚/未婚でパッキリ差がある日本と比べると、国民の自由度が高いです。どんな制度なのか順番に見ていきましょう。

法律婚

日本の「結婚」に当たるのはこちら。といってもフランスに戸籍はありません。役所に必要書類を提出し、役所で証人立会いのもと宣誓式を行うと婚姻が認められます。

フランスの市役所には結婚式用の広間があるんだって!

PACS(パックス)

「Pacte Civil de Solidarité(連帯市民協約)」のことで、入籍をしていなくても法律婚とほぼ同等の権利が与えられるパートナーシップ制度

定義は「同性または異性の成人2名による、共同生活を結ぶために締結される契約」で、同性カップルを保護する目的で1999年につくられました。2013年には同性の法律婚も認められています。

どちらか一方の申し立てで簡単に解消できる、財産相続には遺言状が要るなど、法律婚と多少の違いはあるものの、基本的な社会保障は同等。お手軽なので、同性カップルに限らず若い世代中心に人気です。

ユニオン・リーブル(事実婚)

いわゆる事実婚で、法的な契約を何もしていない状態。夫婦同様に共同生活を送っていても、お互いの自由を尊重して結婚しないカップルですね。

義務も権利も発生しませんが、長く一緒にいるカップルは手続きをすれば役所で証明書を発行でき、「コンキュビナージュ(同棲関係)」という立場になります。納税など基本は全て別々ですが、家族手当が同等に受けられるなどのメリットも。

それでも結婚する理由

婚姻の手続きをしなくても、パートナーとしての権利が認められるフランス。それでも一定数のカップルが法律婚を選択しています。

どうしてわざわざ結婚するの?

フランスの結婚の現状

まず、過去10年のフランスと日本の婚姻組数を見てみましょう。

Statisticaのデータから作成

2020年度は、フランスが約14.8万組、日本が約51.6万組でした。人口に2倍くらいの差があることを考慮しても、フランスの婚姻組数は少ないですね。(*1)

国立社会保障・人口問題研究所の統計資料によると、2018年度の婚姻率はフランス3.5に対し日本4.6となっています。(*2)

*1)2020年時点の人口:フランスが約6,700万人、日本が約1億2,600万人
*2)UN. Demographyc Yearbook 2018年版による人口1,000人についての割合

フランスの国立調査機関Insee「結婚・PACSのカップルの数推移」から作成

フランスのカップルで法律婚をしているのは32%、PACSが28%、ユニオン・リーブルが40%。法律婚を選択しないカップルが約7割と多数派になっています。

ユニオン・リーブルでも基本的なパートナーの権利が得られるなら、それで十分かも

フランス人が結婚する理由

酒井洋子著『“結婚”をやめたパリジェンヌたち』によると、フランス人の多くが「愛のため」に結婚をしているようです。

12ヶ月以内に結婚した人が「結婚した理由」

第1位 愛によって(88%)
第2位 結婚式のため(37%)
第3位 子供のため(36%)

「愛してるから結婚」!さすがアムールの国……素敵だなぁ

また、個人主義の国柄とはいえ「親からのプレッシャーで結婚する」という場合もあるようです。
都市部の若い人たちにはPACSやユニオン・リーブルが浸透しているものの、戦後まもない頃生まれの世代だと、いまだに「きちんと結婚すべき」と考える人も少なくないのだとか。

日本人が結婚する理由

それに対して、日本人が結婚する理由とは?
実際に結婚を決めた理由とは違うかもしれませんが、「結婚したい理由」は次のような結果となっています。

「縁結び大学」(運営:株式会社ネクストレベル)の調査結果から引用

女性は「子供が欲しい」が1位。フランスと異なり、日本では婚外子やシングルマザーの権利が弱いので、「子供を持つならまず結婚」という選択になるのかもしれません。
フランス人が結婚した理由1位の「愛によって」には、4位の「交際相手と結婚したい」が近いでしょうか。

それよりも精神的な支えが上位にきているあたり、ちょっと自分勝手な気もする

結婚しても離婚する理由

あえて結婚を選択しても、離婚に至ることもあります。日本では3組に1組が離婚するとも言われていますが、フランスではどうでしょうか。理由も合わせて見てみましょう。

フランスの離婚の現状

下のグラフ過去10年のフランスと日本の婚姻組数の推移を示したものです。

Statisticaのデータから作成

ここでも人口の差は考慮する必要がありますが、結婚組数よりも差の開きが小さいですね。

国立社会保障・人口問題研究所の統計資料によると、2018年度の離婚率はフランス3.54に対し日本1.65で、フランスでは離婚率が高いのが分かります。

ちなみに、フランスでは2017年から極端に離婚する人が減っているように見えますが、協議離婚の場合は裁判所での従来の手続きが不要となった影響によるものです。実際別れた夫婦はもっと多いということになります。

フランス人が離婚する理由

面倒な手続きのある法的結婚をわざわざ選択したにもかかわらず、離婚する原因は何なのでしょうか?

前出の酒井洋子著『“結婚”をやめたパリジェンヌたち』では、まだ離婚していない人も含めた調査での「離婚になりうる理由」上位が掲載されていました。

「離婚になりうる理由」

第1位 不貞(88%)
第2位 片方の要求に十分に耳を傾けない(88%)
第3位 恋愛感情がなくなった(86%)

フランス語のサイトにはこんなグラフがありました。

いずれにせよ不倫が1位のようですね。愛のために結婚したから、愛が奪われたら離婚、ということでしょうか……。

日本人が離婚する理由

日本人の場合はどうでしょうか。

第1位 性格が合わない
第2位:精神的に虐待する
第3位:異性関係
第4位:家族親族と折り合いが悪い
第5位:性的不調和
第6位:浪費する
第7位:同居に応じない
第8位:暴力を振るう
第9位:家庭を捨てて省みない
第10位:生活費を渡さない

2018年度の裁判所・司法統計から作成

よく耳にする「性格の不一致」がトップですね。精神的な拠りどころを求めて結婚したものの、うまくいかなかった……というところでしょうか。

まとめ:結婚は自由!自分たちが望むパートナーシップを考えよう

この記事のポイントをおさらいしましょう。

  • フランスの結婚制度は3つ
    • 法律婚
    • PACS(パックス)
    • ユニオン・リーブル(事実婚)
  • それでも結婚する理由
    • フランスでは法律婚を選択しないカップルが約7割
    • フランス人が結婚する理由は「愛によって」
    • 日本人が結婚する理由は「支えあえる人がほしい」
  • 結婚しても離婚する理由
    • フランスは離婚率が高い
    • フランス人が離婚する理由は「不貞」
    • 日本人が離婚する理由は「性格の不一致」
  • 結婚は自由!自分たちが望むパートナーシップを考えよう

フランスでも日本でも、結婚・離婚について悩むのは同じ。でもフランスでは結婚のカタチが多様なので、選択の自由度が高いと言えますね。

私は籍を入れない派。日本でも事実婚とか同性婚とか、いろいろなパートナーシップの形が受け入れられるようになったらいいな

ひと昔前は眉をひそめられた同性カップルも、少しずつ市民権を得てきているので、ひとりひとりの意識によって制度も変わっていくかもしれません。

「自分たちにとって最適なのは、どんなパートナーシップのあり方なのか?」ぜひみなさんも考えてみてくださいね。

私と同じように「結婚はしたくないけど、パートナーはほしい」という人には、下の記事で公開しているパートナー探しの方法がおすすめです。

▶結婚しないパートナー探しの方法を見る

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