よくわかる事実婚|定義や手続き、法律婚・同棲との違いを解説

出会い・結婚
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彼氏と同棲してるんだけど、このまま入籍しないで暮らしてたら「事実婚」になるのかな?それとも、何か手続きすると得なことがあるの?

こんな疑問にお答えします。

こんにちは、よるるです。

よるる
よるる

【この記事を書いた人】

ギリギリ昭和生まれのフリーライター・翻訳家。バツイチ同士で同棲3年目。結婚しない・子供は持たない派。

いまいち把握できない「事実婚」についてわかりやすく解説します。

本記事の内容
  • 事実婚とは?
  • 事実婚をするには
  • 事実婚したほうがいい? メリットとデメリット

私は彼氏と同棲して2年になりますが、結婚するつもりはありません。
もともと、交際前にお互い結婚の意思がないことを確認しました。お互いバツイチだというのもありますが、いまいち結婚にメリットを感じないんですよね。

そこで気になるのが「事実婚」。

入籍しなくても「事実婚」のメリットが大きいなら検討したいし、知らないうちに「事実婚」してしまって義務が発生したら怖いですよね。

ということで、事実婚の基本を初心者向けに解説します。

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事実婚とは?

事実婚の定義

そもそも事実婚ってどういうこと?

ずばり「婚姻届は出していないけど、夫婦として一緒に暮らしている状態」のこと!

なんだか曖昧ですよね。

ただ一緒に暮していればいいのかというと、そうでもありません。
事実婚カップルとして認められるためには、主に3つの条件があります。

  • 共同生活を営んでいる
  • お互いが「夫婦である」という意思を持っている
  • 周囲に夫婦として扱われている

つまり、自他ともに2人を「夫婦」として認識しているかが最大のポイント。
この状態は、少し堅い言葉で「内縁(ないえん)」とも呼ばれます。

うーん、まだ曖昧だな〜。本人たちが「夫婦です!」って言い張ればOKってこと?

具体的に「事実婚をする方法」は、後半で詳しく説明します

法律婚と事実婚の違い

では、一般的な「結婚」との違いは何でしょうか?

簡単に言えばこうです。

婚姻届を出したら法律婚(結婚)
戸籍はそのままだけど夫婦として生活していたら事実婚

実態としては法律婚と同じように「夫婦」ですが、戸籍上は他人なので、法律婚とは義務と権利に差があります。主な違いを下の表にまとめました。

事実婚法律婚
住民票の続柄妻(未届)/ 夫(未届)妻 / 夫
健康保険等の被扶養者
住宅ローン等の連帯保証人
生命保険金の受け取り×
税金の配偶者控除×
遺産相続遺言書が必要
財産分与、養育費請求
厚生年金の年金分割×

事実婚と認められていれば、続柄は妻(未届)」夫(未届)となり、扶養家族になることができます。

ただし、生命保険の受け取りや税金の配偶者控除ができないなど不都合な面も。遺産もそのままでは相続する権利がなく、生前に遺言状の作成が必要になります。

会社の家族手当等については、会社ごとの判断になるので、理解のある経営者なら認めてもらえるかもしれません。

特に相続などは複雑なので、悩んでいる方は専門家の無料相談を利用してみましょう。

同棲と事実婚の違い

一緒に暮らしているだけなら、同棲と同じじゃないの?

同棲しているカップルが、自動的に「事実婚」になるわけではありません。自分たちも周りの人々も、2人が夫婦であることを認めていないといけないんです。

事実婚を証明する方法は後述するので、まず「同棲カップルにはなくて、事実婚カップルにあるもの」を説明しますね。

  • 同居・協力・扶助義務
  • 貞操義務
  • 婚姻費用分担義務
  • 日常家事債務の連帯責任
  • 夫婦別産制と帰属不明財産の共有推定
  • 財産分与と不当破棄への慰謝料
  • 第三者の不法行為に対する救済

難しい言葉が並んでいますが、基本的には夫婦として協力して共同生活を営む努力をしなければならない」ということです。家事を押しつけたり、浮気をしたりしてはダメなんですね。

普通のカップルでもダメだけど、事実婚だと裁判に持ち込んで主張できるってことだね

事実婚をするには

「婚姻届」はあるけど「事実婚届」はないよね? どうやったら事実婚できるの?

事実婚が認められるためには「夫婦として共同生活を送っていること」を証明しなければなりません。
「夫婦としてお互いの知人に紹介している」「結婚式を挙げた」などの事実を積み重ねて証明することもできますが、なかなか大変。

そこで、誰が見ても明らかな書類を用意しておくと安心です。主な方法は3つ。

  • 住民票の世帯変更
  • 公証役場で公正証書を発行する
  • 各自治体のパートナーシップ制度を利用する

ひとつずつ詳しく説明しますね。

住民票の世帯変更

最も一般的かつ簡単な方法は、住民票を同一世帯にすること。
どちらか1人が「世帯主」になり、もう1人の続柄を「妻(未届)」または「夫(未届)」と記載してもらいましょう。

住民票なら、就職や引っ越しで一度は取得したことがありますよね。記載の変更についても、市役所・区役所で聞けば手続きをしてもらえますよ。

公正証書の作成

ふたりの関係を対外的に証明するためには、公正証書を作成しておくといいでしょう。少し難しく感じるかもしれませんが、何かトラブルがあった時に有効です。

公正証書は信頼性が高く、遺言状もこの方法で作成することができます。

ただ、公証人に作成してもらうため、手数料が発生するのがデメリット。事実婚関係をどれだけ明確にしておきたいかをよく考え、必要であれば手配するのがおすすめです。

もう少し気軽に証明書を作成したい場合は、行政書士のオンラインサービスがおすすめ。

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パートナーシップ制度の利用

自治体によってはパートナーシップ制度を導入しています。それぞれの自治体で宣誓を行い、「パートナーシップ宣誓受領証」を交付してもらえるというもの。

2015年に東京都渋谷区と世田谷区が初めて施行し、全国的に広がりをみせ、2021年には130の自治体で施行されています。ただし、そもそもは同性カップルを公認するために生まれた制度だったので、異性カップルにも適用したのは2019年の千葉市が初めて。

お住まいの自治体で事実婚カップルがパートナーシップ制度を利用できるかどうかは、問い合わせてみてください。パートナーシップ制度がある自治体は、こちらのページ(日本LGBTサポート協会)から確認できます。

事実婚したほうがいい? メリットとデメリット

事実婚カップルの数

事実婚は法的な届出が不要なので、実際にどれくらいの事実婚カップルがいるのか、実態は不明です。

2010年の国勢調査では「親族でない異性と同居している20歳以上の人口」が約60万人という報告がありましたが、これは普通の同棲も含んでいます。

参考までにフランスのデータを見てみましょう。

フランスの国立調査機関Insee「結婚・PACSのカップルの数推移」から作成

事実婚に近い「PACS(連帯市民契約:法律婚とほぼ同等の権利が与えられるパートナーシップ制度)」と「ユニオン・リーブル(法的な契約をせず、共同生活を送っている状態)」が合わせて68%。フランスでは法律婚が32%で、フランスでは法律婚が少数派なんですね。

日本でも同性カップルが受け入れられるようになり、選択的夫婦別姓が注目されています。これから事実婚が増えていくかもしれません。

事実婚のメリット

  • 法律婚より自由度が高い(夫婦別姓可、別れてもバツイチにならない)
  • ただの同棲より優遇される場面がある

ひとことで言うと「法律婚と同棲のいいとこどり」ですね。

戸籍上「夫婦」ではないので、苗字を同じにする必要はありませんし、夫婦関係を解消してもバツが残りません。
一方、きちんと関係を証明できれば、法律婚ほどではありませんが法的に守られるので、扶養に入れるなど手続き上でのメリットがあります。

事実婚のデメリット

  • 証明に手間がかかる
  • 社会的な認知度が低く、立ち位置が不安定

日本ではまだまだ「事実婚? 聞いたことあるけど、よくわからない」という人が多いです。
なので、「入籍していないのに夫婦」ということを理解してもらうのは難しい場合もありますし、なんとなく変人扱いされることも。

「婚姻届を出す」という単純な手続きではないため、しっかり調べて住民票の続柄を記載するなど対策しないと、後々不便が生ずるかもしれません。
遺言書がないとパートナーの財産を相続できなかったり、子どもが生まれた場合に父子関係は認知しなければいけなかったりと、手間がかかることもあります。

事実婚が向いているカップル

  • 何らかの理由で婚姻届を出せない、または出したくない
  • でも夫婦・家族として世間的にも認めてほしい

こういうカップルには事実婚をおすすめします。

世間一般に浸透しているのは法律婚ですが、同性同士だったり、苗字を変えたくなかったり、いろいろな事情がありますよね。

同棲でも一緒に生活を営むことはできますが、法的・社会的な後ろ盾は何もありません。
私たちは生涯のパートナーです」と公言し、夫婦として扱ってもらうためには、多少手間がかかっても事実婚を証明できるようにしたほうが都合がいいでしょう。

まとめ:ふたりの関係性を安定させたいなら、事実婚もひとつの選択肢

この記事のポイントをおさらいしましょう。

  • 事実婚とは?
    • 定義は「婚姻届は出していないけど、夫婦として一緒に暮らしている状態」
    • 法律婚とは各種手続きや取り扱いで違いがある
    • ただの同棲にはない義務と権利が発生する
  • 事実婚をするには
    • 住民票の世帯変更
    • 公正証書の作成
    • パートナーシップ制度の利用
  • 事実婚したほうがいい? メリットとデメリット
    • 事実婚の実態は不明
    • 事実婚は同棲と法律婚のいいとこどり
    • ただし社会的認知度は低い
    • 婚姻届を出さないで夫婦として認められたいカップル向き
  • ふたりの関係性を安定させたいなら、事実婚もひとつの選択肢

だんだんと普及してきた事実婚。ふたりの関係性を定義する選択肢として、新たな可能性を感じます。

相続など深刻な問題にぶつからなそうなら、とりあえず住民票の世帯変更だけしておくのもアリですね。

「内縁の妻」って、なんだかドキドキする響き

私は今のところ、婚姻届を提出する・しないにかかわらず、「結婚してます」という状態に気分がイマイチ上がらないので、事実婚する必要はないかなと思っています。

でも、「法律的に結婚するか/しないか」の2択ではなく、グラデーション的に選択肢が増えるのは嬉しいことだと感じます。

事実婚を経て法律婚をすることももちろんできるので、結婚しようか迷っている方は、事実婚も検討してみてはいかがでしょうか。

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